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うたかたの仮の住処のこの世かな
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何かが変わる 季節は秋から冬の準備へとうつろいで 秘めた希望に胸が膨らむ
変わる 変わりたい 変わらなければ
根気よくその日がくるのを待ち続ける 願望はいつか現実になっていく 



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何ひとつ みのることなく 秋に入り


何ひとつ前に進まぬもどかしさ
もがいてももがいてもからみつきたる海草が
希望の光を遮りて、海深くへと引き込まん
この海草を切りほどき、浮かび上がろうと苦悶する
底知れぬ不安の海に漂いて
 
 
 
 
亡き母の偲ぶよすがやあざみ花

道端に青々とした鬼あざみ。
とげとげしくて荒々しく、花はまだ咲いてはいないけれど、あざみをみると思い出す。
生前、母が好きだといった。
あざみの花が好きだといった。
私がまだ子供の頃、ある日ぽつんとつぶやいた。
好きだといった、いや私の思い込みなのだろうか。
なぜ好きなのかも聞いてはいない。
あざみをみると思い出す。
今となっては確かめようもないけれど、あのときの、遠い遠い思い出は、母のまなざしが浮かんでくる。
荒々しさとはうらはらに、やさしい薄紫のその花は、やさしく包み込んでくれるよう。



 
いつのまに 梅雨となりたる 雨すだれ

梅雨入りはいつもあいまい、雨がつづくはうっとしい
「○○地方は梅雨入りしたと思われる」…梅雨入り宣言が出されると、この雨も恵みの雨と翻り
少しくありがたくおもえてきて、なんとなく楽しい




雨はずっと降り続き、草や木をうちひびかせる
川は水かさを増し、魔物のようにうごめいて流れ行く
物憂げな一羽のカラスがとまっている
雨宿りをするでもなくうたれるままに
呆然と見つめているようなその顔は、わずかに動いて悲しげに
天災に、幼子を亡くした悲しみか、かけがえのない伴侶を亡くした苦しみか
ふっと飛び立ちてみえなくなるも、しばしののちにまたまいもどる
嵐が記憶を呼び覚ますのか、封印していた悲しみを



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